スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

オーティス・ラッシュ逝く その1

 ついに悲しみの日がきてしまいました。この写真は手元にはなく、昔NHKのテキストにブラックカルチャーについてのコラムを連載していたとき、撮ったものです。

 

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 昔も今も社長にとって、オーティス・ラッシュはいちばん好きで尊敬しているギタリストです。丸亀会館の楽屋でオーティス夫妻にあわせてもらうこともできました。
 それから30年あまりがすぎます。
 社長は三番町のブルースバー「ジョークジョイントつる」の内装を手がけている最中、その現場で母子家庭の3人と出会うのです。次女は生まれつき重い知的な障害をかかえていて、その子だけbiological fatherとその実家からは絶縁されていました。
 もともと困っている人を見ると、ほっておけないところがある社長。

 自分自身も妻が子供たちを連れてでていって10年目。母親と2人暮らしがつづいていました。

 この子たちと一緒に暮らして、残りの人生を共有することを決意します。
 まもなく社長はオーティス・ラッシュ夫人のマサキさんから、「ぜひあいたい!」という伝言を受け取ります。
 そして、気がつくのです。その子のgodfather(名づけ親、後見人)がオーティス・ラッシュ夫妻だということを。


 シカゴに行くと、すっかり意気投合してしまい、楽しいひとときをすごすようになりました。

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 ここからは筆者の私見なのです。オーティス・ラッシュのことを「他の成功したブルースマンをねたんでばかりいる」「レコード会社の人間と衝突してばかりいる」という人がごく一部にいます。(実は前夫がそう言っていました。ラッシュのバンドに入れてもらいたかったのですが、オーディションで落とされたことがあります)でも、それは事実とはかなり違っているように思うのです。
 たぶんこれから、「私はオーティス・ラッシュから信頼されていた」みたいな美談を書く人がでるでしょうwww
 
 たしかにマサキさんは、「エリック・クラブトンはね、オーティスに会うと、ひざまづいて、私の神よ~なんていうのに、インタビューではBBキングやバディガイのことばかり言っている」なんて話していましたが、だからといってクラプトンを憎んでいるとか、そういう感じはまったくありませんでした。

 ともかく繰り返し言っていたことは、オーティスは天才であり、あんなギターや歌を歌ったり、つくったりできる人は他にはいない、わかる人はみんなそれがわかっている。なのに、オーティス自身は「ものすごくピュアで、有名になりたいとか、成功したいとか、そういう欲がまったくない人なのよ。ただ音楽が好きで、それ以外のことは興味がないのよ」とのこと。

 オーティスはパソコンにはまったく興味がないそうです。ユーチューブを大画面で見れる設定にしてもらったら、「あれ?どうして僕がこんなに出ているの?」とひたすら不思議がっているそうです。

 バディ・ガイのことをねたんでいるというより、「商売が上手でしょ。ローリングストーンズがシカゴにきたときの関係者パーティーとか必ず出席するもの。オーティスにも来ているのに、面倒くさがって行かないのよ」。たしかにマスコミへのお披露目パーティーなので、出席したらそれだけで記事になり、宣伝効果は抜群です。

 「オーティスはそういうとこ、全然だめなの。人間がピュアで、純粋すぎるから、ただ自分の音楽をやっていたいの。他のことは全部面倒がるのよ」と、文字にするときついかもしれませんが、それはそれはもう幸せそうにケタケタ笑いながら話すのでした。
(To be continued)

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