もし自閉症の子がいたら、集合住宅はなるだけ避けたほうがいいと思います。
どうしてもアパートとなったら賃貸がおすすめ。
といっても、たいていの人が新築マンションを買いますが。(これは東条さちこさんの著作にも書いてありました)
若いご夫婦の場合、とくに若い奥さんは新築にかなりこだわりをもっています。「絶対に中古は(家も車も)いやだ」という主張が多いようです。
(半年住むとどの物件も中古になるのでだけど)by 筆者の心の声
友だちのところは新築のマンションに移り、なかなか自閉っこは新しい環境になれません。いつもお風呂でジャンプしていたら、底がぬけたそうです。
でも、大丈夫。保険に入っていたのでちゃんと無償で修理してもらいました。
(こういう保険はうちも新築のとき入りますから、得意分野ですw)by 筆者の心の声
さて、自閉症児の騒音問題、この記事はとても参考になると思います。
この記事の筆者の方、ブログにはずいぶんなコメントが書き込まれています。たしかに当事者以外にとっては人ごと、迷惑な存在でしかない。
うちは工務店なので、家全般のことを手がけています。が、とくに夫の得意分野は防音室です。
防音室はただ音をシャットアウトするのではありません。そもそもベースのような低い音は完全には消せません。
とくに楽器の練習室の場合、響きも大切なので、いろいろコツがいります。
この分野で夫は日本一、という方もいるし、私もそう確信しております。
(そういうことをネットに書いたら、「うちもお金をかけないで防音してください」というメールが殺到したことがあります。あと本人、宣伝が嫌いなのです)by 筆者の心の声
私自身その仕事を9年サポートしてきて、世の中には騒音はもちろん、ちょっとした音でも気にする人がとても多い、と気がつきました。
四国とシカゴの現場が多いのですが、鳥の鳴き声でも怒る人は怒ります。これが大都会だとどうなっちゃうの?
自閉症の子がいる友だちの苦労話を書いていたら、きりがありません。
帰宅したらドアのところに、「うるさい」「でていけ」という紙が貼ってあったいう人もいます。
子どもの障害を考慮して1階の部屋を選んだりしているのに、気にする人は気にするので、一つ間違えると大変なトラブルにつながります。
シカゴでは自閉症どころか、子供が生まれたら郊外の一戸建てが常識になっています。日本のアパートほど音が響くわけではありませんが、ともかく日本と違ってチャイルド・アビューズ(幼児虐待)への対策が整っています。(写真はシカゴではなく、アイオワのジョン・ウェインの生家です)
なので神経質な住民がいると、赤ちゃんの泣く声を耳にしただけで、警察やチャイルド・アビューズ・センターに通報されてしまいます。その多くが、幼児虐待を疑っているわけではなく、ほとんど嫌がらせのため。
1990年頃、私はミシガン湖に近いアパートを留学生の友だちとシェアしていました。シカゴカブスから徒歩圏内。
遠くかすかに赤ちゃんの声がするだけなのに、夜中にドアをがんがん叩く住民がいて困りました。
おそるおそるドアをあけると、中年の白人男性が怒った顔つきで立っています。チェーンごしに「うちは女2人だから、赤ちゃんはいません」と説明するのに、信用してくれないのです。
ヒステリックにわめきちらし、「警察を呼ぶからな」と言って、本当に通報していました。
何日かして引っ越すのを見かけたら、東洋人の夫婦でした。「ああ、私たちは間違えられたのね」と気がついた次第です。
その後、郊外の一戸建てに移りました。一戸建てなら夜中にギターを練習しようと、外には響かないからです。
ただ当時の夫は次女のことをうるさがり、「静かにさせて」と何度も活火山になりました。
そのうち自分用のアパートを借りて、夕食と楽器の練習のときだけ帰ってくるようになったのです。(アパートの場所は隠していたので、たぶん浮気用。友だちには「女は絶対にやめられない」と言っていたそうです)
次女が小学校3年生になったとき、私は福岡に自閉症の先生を見つけて、野球がオフになると、そこに通わせました。
福岡県立香椎小学校の隣の小さなコーポ、いわゆるワンルームマンションを借りて、ロフトベッドをいれた仮住まい。
6世帯のコーポだったけれど、他は二世帯しかうまっていなかったので、いつも静かでした。
二階はなんだか面白いタットゥーだらけのアンちゃんが住んでいました。
一人用のアパートなので、狭い玄関でたまたま一緒になり、まず私の母をみて挨拶。その後ろに私がいて、さらに娘がいて、その後ろにランドセルを背負った子がいるのをみて、「うわー」「あれ」「わー」と驚いたりしていました。
ある晩、なぜか福岡県警が来て、二階でドタバタすごい音がして、それきり静かになり、会うことはありませんでした。(日本て本当に犯罪が少ないの?)by 筆者の心の声
子供たちと一緒に父母に一緒に住んでもらい、私はシカゴで野球の取材をつづけていました。
ある日、サイトで中古の一戸建てを見つけました。ここならコーポから徒歩圏内。松本清張の「点と線」の舞台になった香椎浜と面しています。
カブスの記者席から国際電話で内見のアポをとりました。
次の週、下見に行くと、長女と次女はうれしいそうに笑いながら、くるくると1階の居間とキッチンを走りまわりました。
「これ、ほしい?住みたい?」と聞いたら、長女が「うん、ほしい!サザエさんの家に似ているもの」。
サザエさんのうち行ったことあるんかい?by 筆者の心の声
「ここならドラえもんみたいに、屋根の上で寝れるね!」
え。そんなシーンあったっけ?by 筆者の心の声
二階は2部屋、一階は6畳と8畳とキッチン。外壁には1か所、大きなひびが入っていました。震災の跡です。でも、これはお金ができたとき直せばいい。
980万円だったので、シカゴの銀行から取り寄せ、一括払い。これは幸運でした。シカゴの貯金は全部、その後に夫が台湾にもっていってしまったからです。私の母の貯金も一緒。残していたら、これも持っていかれていたのでしょう。
この家は塀のむこうが「香椎花園」という遊園地で、いろんな音がしました。でも、目の前が海だったので、ちょっと音がするぐらいのほうが気持ちは落ちついたようです。
ちなみによく言われていることですが、自閉症の子は海をみると気持ちがおちつくようです。
ただ花火大会のときは怖がって大変だったそうです。
後年、賃貸にだしましたが、すぐに借り手がついたので、助かりました。