スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

中学ほとんど行かずにバイリンガルになったお話(中学校編)

mmcompany.hatenablog.com

 つづきです。2008年、福留孝介がシカゴカブスに私は入団しました。
 これは野球シーズン中、ほとんど日本には帰ってこれないことを意味します。(まあ、その前も井口資仁がいたので、同じようなものでした)
 次女は両親に託し、香椎小学校の特学に通いつづけました。

f:id:mmcompany:20190421214242j:plain

 私は長女だけシカゴに連れて行って、元の学校に行かせたりもしたのです。

 福留の入団記者会見のときは、そばにいました。


 ところが、じきに長女はシカゴで学校に行きたがらなくなりました。わりと勉強できるほうだったのに、すっかり遅れをとってしまったからです。

 まあ、いいや。シカゴでも朝からフィギュアスケートやらせておこう。

 幸か不幸か、長女のまわりに学校に行っていない友だちがたくさんいました。

 公認本に書かれているから、かまわないと思いますが、某選手は小学校は7日ぐらいしか通っていません。
 あそこまで才能なくても、レッスン時間はかぎられています。昼間からスケート場にいる子たちはわりといるのです。 

f:id:mmcompany:20190421214622j:plain

 これはアメリカでも日本でも同じ。

 私はたくさんアスリートを見てきたので、全員が同じ生き方、同じ学校生活、同じ受験勉強をするべきなんて、まったく考えたことはありません。
 
 野球とアメフトでプロだったボー・ジャクソンの親が、いつも言い聞かせていた言葉です。
「お金は使えば使うほどなくなってしまうけれど、インテリジェンスは使えば使うほど増える」

 長野五輪の金メダリスト、タラ・リピンスキーがホームにしていたデトロイトのスケートリンクでは、今でも多くのスケート選手がホームスクーラーです。

 そのせいか、あそこは今でもホームスクーラーが多いのです。3面リンクがあるスケート場なので、トゥーター(家庭教師)を雇ってホームスクーリングの宿題をこなしています。

f:id:mmcompany:20190421214747j:plain

 通信制というのは甘くなく、テストに合格しないと進級できません。
 長女はミシェル・クワンの自伝でも有名なホームスクールをとっていました。が、これがまたむずかしいの、なんの。
 英語で物理なんて正直、学のない私では教えることができません。そういうレベルの家庭教師を福岡でみつけられるかどうか、八方ふさがり。

 そこで浅智恵というか、悪智恵というか、苦肉の策といいますか。他にあのとき選択肢がありませんでした。
 
 というのも、こういうことです。

 日本は中学までは義務教育なので、不登校でもなんでも卒業証書はもらえます。
 なので、最後の3か月だけ、日本の公立中学に入れてしまえ!
 案の定、東区役所いって手続きしたら、露骨に嫌な顔をされました。「え、今もう12月ですよ。」
 でも、福岡で家を買って固定資産税も住民税も払っているのだから、拒否はできません。←と粘っこくおしまくりました。

 

 香住ケ丘中学のほうも戸惑ったようです。
 ほぼ毎日夜8時ぐらい、ざわざわとした職員室から電話がかかってきたので、教員というのは大変な職業だと思いました。
 とくにこの時期、中学受験に向けての対策と内申書を書くことで、相当に忙しくされていたようです。


 次から次への長女はよく問題を起こしてくれたものです。ほとんどが言葉の壁から来るものでした。
 たとえば、アメリカは小学生でも化粧していく子が多く、初日から長女はマニュキュアまでしていったそうです。
 「化粧はやめましょうね」
 と担任の先生に言われても、なかなかやめません。数日してわかったこと、
「ママ、もしかして化粧ってmake upのこと?知らなかったもーん」
 そうなのでした。化粧という言葉、それと博多弁、あとゆっくり話してもらわないと日本語が理解できません。

 得意なはずの英語も、この頃はへんな点数をとってきました。疑問文と肯定文という漢字が読めなかったそうです。あのなー!(英検1級は高校になってすぐ受けたら、受かりました。あたりまえですが)

 ちょうど長女は福岡代表の国体代表に選ばれていました。スケートの練習だったら、一応は出席日数にひびかないことになりました。(今はどうか知りません)
 なので中学卒業のほうは問題なさそう。あとは高校進学をどうするか、です。

 県立に行ってほしいのは山々ですが、試験に合格できるどうか。普通入試ならまず問題文が読めません。そこで推薦入試を考えましたが、これも見事に落ちました。まあ、受かるわけもないか。でも、定員に足りないのだから・・・ねぇ。

 

 もう頭の血管が破裂してしまいそうなほど悩みました。


 困り果ててしまったとき、助けてくれたのが私の原点!中日ドラゴンズでした。


燃えよドラゴンズ!88(ちなみにこの動画のCBCアナ、久野誠アナウンサーとは20年以上、大リーグレポートをやらせていただきました)

 星野監督のマネージャーが福岡出身なので、ちょこちょこ会ってラーメンスタジアムに行ったりしていました。その方が「高校進学?オレにまかせろ!」と言ってくださったのです。

「ドラゴンズの枠で入れてやる」

「え!うちの子、女ですよ」

「入学したら女だから、野球じゃなくてフィギュアスケートということにしたらいいから」と。

 そして、本当にすぐ話をつけてくれました。うそみたいなホントの話。

「え~、私、日本の高校に行けるの?インターハイとかでれる?ママ!ありがとう!」 

f:id:mmcompany:20190421214313j:plain

 ばいなう~