スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

スケートの ひもむすぶ間も はやりつつ

 巣鴨の池袋サンシャインといえば、巣鴨プリズンの跡地です。

 東条英機のような戦犯が処刑されたことでも有名ですが、同じ場所で尾崎秀実やゾルゲも処刑されています。

 

 映画「ゾルゲ」では尾崎秀実本木雅弘が演じています。オールヌードの拷問シーンが美しすぎて・・・・ギリシア神話のよう。実物の尾崎はかなりの美食家で、ぽっちゃり体型だったそうです。

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 尾崎の父親は元報知新聞の記者でした。日本が統治していた台湾で、新聞を作る仕事を得た後、煙草産業などで成功をおさめます。

 尾崎は帝国大学に進み、兄夫婦の借家に下宿しているとき、関東大震災を経験します。このとき社会主義者たちへの迫害を目の当たりにし、怒りを覚え。世界革命に目覚ていきます。品川病院でボランティアとして患者たちの血を洗い、刀傷が多いことにも気がつきます。

 朝日新聞の記者となってまもなく、兄嫁と駆け落ち同然で結婚。

 上海事変当時は上海支社にいて、ゾルゲとも知り合います。

 大阪朝日新聞の屋上は鳩小屋と(新聞社にとって当時、伝書鳩は戦力でした)ABCリンクでした。天才少女・稲田悦子をはじめて記事にしたのも尾崎です。

 たまたまですが、山口誓子もこのABCリンクの常連で、スケートの歌も詠んでいます。

 ホトトギス派の山口誓子は樺太育ち。たまたま尾崎の兄(秀実は兄嫁を奪う形にはなったのですが、母親が間にたち、兄弟仲は死が2人を別れさせるまで良好でありつづけました)と同じ系列の会社で働いていました。スケートはマラソンみたいに他と競争しなくていいところを気にいっていたそうです。

スケートの ひもむすぶ間も はやりつつ 山口誓子

 

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尾崎秀実伝 (1968年)

愛情はふる星のごとく―獄中通信 (1949年)

父・伊藤律 ある家族の「戦後」

わが青春に悔なし