スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

「フランス語っぽい日々」が面白い

フランス語っぽい日々

 

 バイリンガル環境といえば、シカゴの家の向かい側、メキシコ系ファミリーなので、4人の子供たちは両方の言葉を話す。孫が2人加わったけど、さて、何語を話すのかな?

 

 うちの隣はポーリッシュ一家で、一人息子が私の長女と同級生。学校では普通に英語を話した。が、誕生日パーティーに呼ばれたら親戚とはポーランドを話す。

 大リーガーでも英語とスパニッシュ両方を話す選手や監督、コーチは多い。

 

 この国では二重国籍や3重国籍はあたりまえにいるし、バイリンガルやトリリンガルの教育について、ピリピリ神経をとがらせ、親同士が競争意識に燃えているところがない。 

 さて、フランスの通信社の記者カレンさんの夫は日本人の漫画家。2人の子どもを日本で育てている。

 子供たちのフランス語の維持には頭をいためる環境だが、いたって自然体である。言葉だけではなく、「文化や国の魅力を伝えていきたい」と。

 これがいちばん大切なことだと思う。

 ときには笑いながら。↓この表情なんかすごく好き。

f:id:mmcompany:20201014145145j:plain

 カレンさんは日本語、夫はフランス語を勉強中なのだが、赤ちゃんたちだった子供たちに語学力ではぬかれてしまいう。私にも覚えがありますがな。

 

f:id:mmcompany:20201014145256j:plain

 

 

 私は昭和史おたくなので、話がぶーんと飛ぶのだが、アメリカとの戦争の開戦と終戦で外務大臣だった東郷茂徳氏。外国人妻をもった来栖三郎夫妻とも吉田茂夫妻(雪子夫人は牧野伸顕の娘で、海外暮らしがなく、夫婦喧嘩は英語だった)とも、家族ぐるみのお付きあい。

 長女の東郷いせは山王スケート場とドイツの大使館の前の湖で、フィギュアスケートの先生について、稲田悦子先生と共に札幌五輪の候補選手でした。

f:id:mmcompany:20201014213708j:plain




 いせは父親の海外転勤でアメリカ、ドイツ、スイス、ロシアで暮らし、しかも母親はドイツ人だったので、東郷外相は相当に日本語教育には悩み、家庭教師をつけたり、歌舞伎には毎週つれていったりしたそうです。

 今みたいにネットがない時代、外交官の家庭では必死だったみたい。

 来栖三郎さんの娘も文献をみると、「あ」と「お」を間違えている。

 吉田茂の娘、麻生和子さんも飯塚に嫁いだときは、ぶっとび伝説をたくさん残している。

 

祖父東郷茂徳の生涯

 

 それにしてもうフランス語を学ぶことは、英語と違って外野がいろいろうるさくなくていい。

 英語だと「だから、日本の英語教育制度は問題がある」という話しにとんでしまい、時間が無駄になってしまうことが多いのだ。

 今はインターネットで交流できるのだから、

「そこ違うんじゃない?」

「こうしたほうがいいんじゃない」

 と指摘しあうことができる環境。

 なのになぜか、

「私はこれでも英語準1級もっています」

 とか、ニューヨークに3年(爆笑)住んでいたとか、攻撃的になる人が増えた。

 (いや、あの、娘も私もとうの昔、一発で英検1級うかっているですが)

 英語だといきなり体温あがっちゃい日本人がなぜか多い。フランス語や他の言語には寛容なのに。これはやはり入試の科目だから?

 語学って完璧になるまで使わなかったら、いつまでたっても上達しないと思う。

 笑ったり、怒ったりしながら、使っていくと、暗記をつめこまなくても、ミスした箇所は後々まで忘れない。<了>