NHK杯で札幌に行ってきました。
大きな声では言えません。なぜ大きな声でいえないかといいますと、62歳の夫がフィギュアスケートにジェラシーしているから。
ともかく、嫉妬マン。たとえば、私が226事件の将校にはまって、本を読み漁っているとそれだけで気にいらない。
「で、今その安藤輝三ってのはどこかで何をしているわけ?」
と憎々しげな顔をして言うのです。
安藤輝三はNHKの駐車場と渋谷税務署の間のレンガ、ワシントンハイツの跡地でとうの昔に銃殺になっていますよ。人の話をちゃんときかんかい!
編み物でピカチュウを編んでいると、「ピカチュウのどこがいいのか、わしにはわからんね」とすねまくり。
フィギュアスケートだけはまだまし。長女がコーチという職業についているので、ぐっと我慢しているところがある。
でも、オリンピックのとき「なんでこんなわかりにくいルールなわけ?もっと素人にもわかるようなルールにするべき」とぶつぶつ文句を言っていました。
選手たちはうんと小さいときから朝5時起きで、情熱をフィギュアスケートにぶつけてきたのです。それは五輪のためというより、自分のため。
たまにテレビを見るだけの夫にあわせて、わかりやすくルールを改正する必要があるのでしょうか?????
スコーンと材木を投げつけたくなりましたよ。(工務店なので、板とかレンガとかころがっています)
先月は「スケートアメリカ」もあり、長く留守にしてしまったので、NHK杯については母に電話して、「母が体調不良」「母の様子をみる」ということで、妹や友だちとも話をあわせてもらいました。
いわゆるひとつのアリバイ作り。
いい年して母もあきれかえってはいました。が、「まあ、パパもそういう人だったからね」とすぐに納得してくれました
私の父は平凡な山口県出身のサラリーマンでした。保守的なので、妻を家から外にだしたくない。私のスポーツライター業も最初は大大大反対でした。
昭和の男ってなんでこうなんでしょう。心が狭い、狭すぎる。
私だったら夫の仕事がうまくいくようサポートする、趣味の釣りやライブでも楽しくやっていたらそれはとてもうれしいこと。それがふつうじゃありません?
その反面、前の夫は私の仕事がうまくいかず、落ち込んでいると、なんだかウキウキうれしそうでした。
ところが残念ながら私の場合あまり仕事がうまくいかないということが少ない。ギャンブラーではないから、危ない仕事は最初からひきうけません。
私が出張に行くと、「枕が香子になっちゃうよ~」と泣き言を行っていました。
最初の結婚は19年、いつも私の方が半分どころか、数倍ありました。というか、前夫は食品会社の社長の息子として育っているから、せっせと働くようなタイプではなかった。
ただバブル期のゴルフ場登記で失敗したため、結婚したときも家を買ったときも援助は0円。
今の夫は私に生活費は一切ださせようとしません。毎年、私の実家や妹たちにも米を郵送してくれています。が、代金を受け取ることはすごく嫌がります。
しかたなく(?)プライドは大切にすることにしています。
そんなかんやまるで高校生のように私は母とアリバイをつくり、こそこそと札幌まで飛んで文字どおり羽をのばしてきました。
そこはもう朝から夜中まで、スケートの天国。楽しいことばっかり。
だいたいプロ野球だと取材して原稿にできることは10のうち半分ぐらいかな。フィギュアスケートだと10のうち1ぐらい。恋バナもあるし、身内話が多すぎます。
娘の足をひっぱりたくないから、私の場合ちょっと立ち位置が野球やNBAのときとは違うのです。
なので、帰宅してからも楽しかったことは口にできず。
夫はなんと来月5日間も出長仕事が入り、弟子たちの分も楽天でホテルをとってほしいとのこと。
私はおもわずにんまりしてしまうのをこらえ、できるだけポーカーフェイスで、「わかった。楽天でいつものところ予約しておくね」と。
なのに、夫は「あ!今うれしそうにしただろ、そんなにわしの留守がうれしいんか。浮気でもしているんじゃないか」と、うるさい。
ああ、面倒。お互いもう高齢者の手前なのに、浮気も何もないものです。相手がいるかい!?
昭和の男はこんなのばかりでした。新しい時代はそうでもないようなので、未来には期待しています。
愚痴ばかりです。スケートは原稿は違う場所で。Bye now!