吉田雪子著「ジョージ六世の戴冠式と秩父宮」(新人物往来社刊)
左のページに吉田健一、右のページにでてくる来栖夫人がアリス、星野仙一監督の妻の祖母になる。それとジョージ6世は映画にもなった人。王冠を捨てた恋で兄が退位したので、どたばたっと不本意なら即位した。#吉田健一 pic.twitter.com/5ajpFLnUZM
— 🇱🇷🇯🇵梅田香子⚾️Yoko Umeda (@yokoumeda) 2019年11月15日
総理大臣だった吉田茂といえば、新米英派でした。
近衛文麿とは学習院では同窓で、外務省では来栖三郎が盟友、来栖は外国人妻どうし、東郷茂徳ファミリーとは親しく、娘たちはアメリカ大使のジョゼフ・グルーと山王スケート場でスケート遊びする仲でした。
吉田の妻となった雪子は祖父は大久保利通、父親の牧野と海外暮らしが長く、夫婦ケンカは英語でした。イギリスの思い出をつづったエッセイも英語で書かれていました。
昔、アメリカの図書館でぱら読み。その後は手に入らず、残念に思っていたら、日本語版が手に入りました。歌もたくさん読んでいます。
表紙のジョージ6世とは、この映画でも知られている人物です。エリザベス女王のパパさんです。
人前で話すのは好きではなかったようです。国王が兄だったのに、離婚歴があるアメリカ人女性、シンプソン夫人と恋におち、退位してしまったため、玉座がまわってきました。
1分30秒ぐらいのシーンで、「誰だ、おまえは?Who are you?」「プリンセス・エリザベス!」と叫び、兵隊がぱっと姿勢を正し、敬礼するところ、セリフもブリティッシュイングリッシュの気品が感じられて、好きなのです。
https://www.youtube.com/watch?v=6z_Bfu1H8Dc
雪子夫人は日本が真珠湾攻撃をする年、乳がんで亡くなってしまいます。グルー大使の妻のアリス婦人はペリー提督の子孫で、子供の頃にも日本で暮らしたことがありました。毎日スープを雪子夫人の入院先に届けてます。死の直前までアメリカと戦争になることを恐れ、気にかけていたそうです。
- 作者: ジョセフ・C.グルー,Joseph Clark Grew,石川欣一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/09/07
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- 作者: ジョセフ・C.グルー,Joseph Clark Grew,石川欣一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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麻生財閥に嫁いでいた娘の和子はすでに長男(麻生太郎)を出産していましたが、麻生家は渋谷にも家をもっていて、看病のため何度も上京していました。
この本は226事件で兵隊に襲われ、和子が祖父を守るシーンがあります。
私の母は吉田茂が好きなので、買って送りました。政治的にどうこうではなく、「ばかやろー解散とか、新聞記者に水をかけたり、面白かったのよ」なんて前に母は話していました。
芸者のこりんを後妻(事実婚)をして大磯の家に呼んだのは、和子の発案でした。こりんは踊りの名手で、和子とは前々から知り合いだったのです。バイリンガルってこういうところドライ。
雪子が亡くなった後、父親があまりに寂しそうだったので、和子は「こりんにきてもらったら?」と提案し、吉田は「おまえはあたまがいい子だね」と答えます。
吉田の家に陸軍中野学校のスパイが入っていて、逮捕されてしまった件はこの本が詳しかったです。
私は吉田茂のスパイだった―ある謀報員の手記 (光人社NF文庫)
- 作者: 東輝次,保阪正康
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2009/02/01
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孫はともかく、吉田の長男、吉田健一はこりんを家にいれたことで、しばらく和子にも反感を感じていた時期があったようです。
この本は早実の文化祭で、清宮の「CATS」を見に行ったとき、たまたまバザーで見つけました。
吉田健一は父親と後に和解しています。文学者として成功された方なので、アマゾンからこの本が届くの、楽しみにしています。
- 作者: 川本直,樫原辰郎,宮崎智之,白石純太郎,渡邊利道,渡邉大輔,仙田学,武田将明,富士川義之,柴崎友香,興梠旦
- 出版社/メーカー: 冨山房インターナショナル
- 発売日: 2019/02/21
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和子は東京五輪の直前、次男をヨット事故で失くしています。和子の長男・太郎はモントリオール五輪にいき、後に総理大臣になったりもしました。
映画では「昭和の淀君」と呼ばれた麻生和子を夏目雅子が演じています。
この漫画は読んでいない。買おうかしら?
Bye now.