スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

自閉症とブランコのお話

f:id:mmcompany:20190313095535j:plain

 このつづきです。mmcompany.hatenablog.com

 いちばん上は、ついさっき撮った写真です。この近所の公園で共同トイレに連れこまれ、強制わいせつ事件が起きました。


 学校がない土曜の昼間、次女が夢中になってブランコをこいでいたのです。
 近所の男の子4人に砂をかけられ、いじめられたことがあるので、私はたいていそばにいます。
 なのに、この日にかぎって、私はある理由があり、ブランコの次女をそのままにして、すぐ近くのスーパーでさささっと買い物してしまいました。


 次女は人ごみがだめで、スーパーが嫌いです。車にごんごん自分の頭を打ち付けたりします。

 なので福岡ではほぼ毎日、宅配サービスを頼んでいました。でも、愛媛では週1回の配達。なので春休み以外だったら、学校に行っている間に買い物をすませていたのです。

 ほんの数分のできごとでした。それは私の一生の悔いです。もうバカバカバカ→自分。

 私が買いものから戻ると、普通にブランコをこいでいました。犯人がのっていた営業車もなーんも見ていません。

 

 この公園には思い出がいっぱい。

 四国の夫の家にはじめて連れてきてもらったとき、最初に徒歩でここにきました。「よかった、ブランコがある!」「これで一緒に楽しく暮らせるね!」

 と私たちは小躍りして喜だものです。

  このとき松山市内の「ジュークジョイントつる」で待ち合わせ。会って2日め。その半年前から、電話では毎日5-6時間、メールは日に100通が飛び交っていて、やっとはじめて会ったとき、お互いの状況はもう知っていました。

 私は前の週にシカゴでの離婚裁判をすっとばし、栃木の家裁で離婚が成立させたばかり。夫は離婚して10年目、母親と2人暮らしでした。
 前妻は近所の実家に子供たちと住んでいて、ほとんど毎日、子どもたちは誰かしらうちでご飯を食べている生活。私が目玉焼きをつくると、「これ、やだ」と言って突き返す子もいれば、目を輝かせてがっつく子もいました。

 半年の遠距離恋愛を経て、次女が中学にあがった後、しばらく新しい家族(5人)でシカゴに滞在。私は娘2人しかいませんが、夫は男子2人、女子2人の合計4人+姑を扶養中で、そこに私たちが加わったわけです。

  

 その後はシカゴと松山と東京の家を行ったり来たりの日々です。


 次女は東温市の特別支援学校に通いはじめ、ここは寄宿舎もついています。隣は松山刑務所。ただ私が通った都立府中高校も府中刑務所とむかいあっていたので、とくに気になりませんでした。

 刑事さんに、「犯人はあそこにぶちこまれるのでしょうか?なんか隣の建物で嫌な感じですね」と私が言ったら、
「ああ、今回はそれはありません。あそこは初犯だけです。強制わいせつ以上の重い犯罪も含まれていますから、実刑はまちがいありません」

 犯人は携帯電話に動画をいくつも録画していたそうで、それが動かぬ証拠になったようです。私はそれを見せてもらっていません。ただ嫌がってあげた声や仕草で、刑事さんは知的な障害がある子だと気がつき、学校に出向いたようです。(そこらへんはぼかしていました)

 スクールバスで約1時間15分ほど。私はバス停に迎えにいき、刑事さんは尾行して、家をつきとめ、まだ明るいうちに犯行現場の検証や撮影をすませたそうです。

 およそ半年前のできごと。その間、次女はとくに変わった様子がなく、学校が休みの日は、ブランコで遊ぶ日課でした。私もそばのベンチでたいてい漫画を読んでいたのです。(まだ裁判の話とか、つづきはあります)