スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

自閉症とマイブーム

 また次女にやられてしまいました。シャツもズボンもびりびり。f:id:mmcompany:20190220144948j:plain


 自閉症は広汎性発達障害といわれてます。

 ちまたで流行の発達障害の一種ではありますが、やっぱり重度だと普通の日常生活は無理です。

 日本でもアメリカでも、ファースト・オピニオンでもセカンド・オピニオンでも、一生のサポートが必要と医者に診断されました。今の医学では治りません、と。

 アメリカでも日本でも特別学級に通いました。なので、私はいろんな子たちを見ているし、ママ友だちもできました。

 ともかく想定外のびっくり行動ばかり。

 ちょっと目をはなしたら、部屋の壁いっぱいにCDケースを接着剤ではっつけてしまうとか。

 冷蔵庫の中身が全部でて、人間のが二本、にょきっとでていたとか。暑くて自閉っこが冷蔵庫に上体をつっこんで。涼んでいるわけです。

 他にも水洗トイレにジャンプーボトルとか、オモチャを流してしまうとか。

 これは配管をつまらせるので、業者を呼ぶ必要があり、家計を圧迫します。

 便器の水をコップで救って飲んでしまう、というのもありました。危ない危ない。

 うちの次女もその都度、マイブームがあり、何度も泣かされました。

 

 1.着ているものを全部ぬいでしまう。(オーバーオウルばかり縫って着せていた)
 2.家や学校から飛び出して、車道で車をすべてとめてしまった。(思い出すのも恐怖)
 3.髪の毛を根本からざっくりハサミで切る。(学校でも家でもハサミを隠すようにしているのですが、知恵はあるから見つけて、自分の場所に隠してしまう)
 4.本のカバーを全部とってしまう。(うちには普通じゃない数の本があります)
 5.雑誌の顔写真の口をすべて赤いマジックでぬる。(図書館の本は要注意。あと過去のフィギュアスケート本、全部やられています)
 6.ぶつ(これは最近は私と夫だけ。痛いです)
 7.ひとごみやショッピングモールがきらい。自分の頭を車のガラスにがんがん打ち付ける自傷行為
 8.小さな子供の声がだめで、耳をふさいでパニック。走りだしたり、紙コップを投げたりする。
 9.なぜか私の咳はだめ。他の人の咳がいいのに、私が咳するとパニックになる。
 10.20歳すぎてから、突然はじまった新たなブーム。何か気にいらないことがあると、洋服をハサミでじょぎじょぎに切ってしまう。

 

 自発語はまったくありません。

 最初はまだ情報ない時代だったので、私が働きすぎだ、愛情不足だ、と言う声ばかり。無意識のうちに私は罪悪感でいっぱい。

 好きなことを仕事にしているのだから、家計も家事も私が全部背負うもの、と思い込まされていたような気がします。
 当時の夫は浮気するたびに、私がいたらないせいだ、「矢沢えいちゃん(知り合いじゃないよ)だって浮気する」、「英雄は色を好むんだ」「香子はたしかに母親としては、いい母親かもしれない。仕事や子供のことばかりで、ちっとも夫の面倒をみない」なんて、責められたものです。

 次女は自閉症と診断されてから、栃木県には足を踏み入れていません。

 むこうの家はぽんと100万円をキャッシュで渡し、前夫はそれで離婚専門の弁護士を雇いました。

 もちろん親権はいらなくて、シカゴで私が買った車と家を「自分のものだ」にする裁判でした。台湾人の彼女と一緒に住む家が必要だったのでしょう。

 結局、日本の家庭裁判所にもちこみ、家は私の名義になっています。

 今の夫とはじめて会ったのは、家裁の翌週でした。今から9年前の話し。

 私は仕事大好き人間だったから、ずっとスポーツ新聞やプロ野球の世界しか知らずに、生きてきました。

 結果として自閉症の子をもったことで別な視界が開けたような気がします。

 べつに離婚したって仕事があれば、子供たちと楽しく暮らしていける。再婚だってできた。我慢することなんてなかったんだな。