スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

2005年のなんだか豪華な夏休み

 アメリカの夏休みは3か月と長いのです。なので、お金がかかる~という悲鳴があちこちから聞かれます。

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 経済的にはシングルマザーだったあの頃、私は万年寝不足でほとんど記憶に残っていません。たまたま2005年の写真が古いパソコンからでてきました。

・・・なんだかずいぶんと濃い夏だったみたいです。写真をみると・・・。

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 まず長女は10歳。だいたい毎年、いちばん近いスケートリンクで開催しているサマースクールに申し込んでいました。これはプールつきで1500ドルぐらいだったと思います。プライベートレッスンは別料金ですが、オレグ・ワリシコフのグループレッスンはそこに含まれていました。ロシアの金メダルペアです。後にソルトレイク五輪で金メダルをとるタチアナ&トトマリニア・ペアも同じリンクでした。

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 ロシア代表のビクトリアもいました。

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 村主姉妹もオレグに習っていました。

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 なので、写真もなんだかゴージャスです。私はほとんど毎試合、野球の試合を取材していましたから、間の野茂英雄や田口壮の写真もはさまれています。アイホンはまだありません。仕事なのでちゃんと重たいデジカメとノートパソコンを持ち歩いていました。

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 外野にいるのは井口資仁と野茂英雄です。そういえば、村主章枝さんが見に行った試合で、井口が大リーグ初ホームランを打ったのは、この頃のことかな?

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 このとき、次女は7歳。自閉症の疑いがでて、スペシャルニードの学校に通っていました。
 自閉症の専門医に行ったところ、「バイリンガル環境で言葉が遅れているだけではないだろうか」という意見もありました。
「自閉症かもしれないから、犬か馬かイルカを飼いなさい」と大真面目に言うのです。

 次女は自発語はありません。横にいた長女は大喜び。「わーい、私、いるかちゃんがいい」
 
 却下!

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 人生最大に悩んでいるとき、送迎でスケートの練習を見ることで、かなり救われたと思います。うちにホームステイしている選手たちの頑張りにも、励まされました。何より長女はずいぶんと刺激を受けたようです。

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 秋、一人で日本に行く長女は今みると、機内持ち込みのバッグにぬいぐるみばかり詰め込んでいます。それだけ心細かったのでしょう。

 この年はシカゴ・ホワイトソックスがワールドシリーズまで行ってしまったため、子供たちにはほとんどかまってやれませんでした。反省。記者席に長女が涙声で、「ママ、私、東京ブロック1位みたい」と電話したきたことは覚えています。

 この夏を最後に、私たちの家族は崩壊していきます。私にとっても長女にとっても、もう自殺するしかないかも・・・というピンチに追い込まれるのです。当時の夫は台湾に去り、銀行口座はパー。家や2台の車の権利書も持っていかれます。

 でも、あの幸せだった夏の喜び、それから強く生きるということ、東京ブロックでのひとつの結果、そうしたものが今にして思えば、支えになってくれたのだと思います。フィギュアスケートとの出会いにはそういう意味で、とても感謝しています。

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