スポーツライター梅田香子とMMカンパニー&CHICAGO DEFENDER JAPAN

梅田香子 contribute to MM JOURNAL

ぼこぼこ場外乱闘編

スポーツライター梅田香子の日常を日本語でメモ代わりに綴ったものです。

テクニカル・スペシャリストの話

NHK杯の審判席で、なつかしい顔をみつけました。

テクニカル・スペシャリスト。wikiで探索したら、日本語も英語もなんだかパソコン関係がでてきました。私が知りたかったのはフィギュアスケート用語としてのテクニカル・スペシャリストです。

まだ歴史が浅く、ソルトレイク五輪の後、2004年6月のISU総会で決定。新採点制度と共にテクニカル・スペシャリストが誕生しました。

審判も大きくわけると国際ジャッジと国内ジャッジの2つにわかれます。テクニカル・スペシャリストも同じです。ビデオ係が別につき、ジャンプやスピンやステップの要素とレベルを専門に判定します。
国際試合ではアシスタント・テクニカルスペシャリストがつくし、別にテクニカルコントローラーもいて、承認や訂正のプロセスで意見がわかれた場合は3人による多数決になります。


ちょうど第1回めのテクニカル・スペシャリストの試験が行われたとき、米国からも何人かがこれに挑戦しました。試験会場会場はドイツだったかな。だいたい毎年ヨーロッパかコロラドです。
「がんばれ~、デビッドとシカゴから生徒みんなで、送り出したものの、「もうすごく緊張したし、試験問題の数が多かった。ちゃんと勉強もしていったから、筆記試験はパス。口頭試問の最後、あと1問のところで頭が真っ白になってしまい、答えられなかった。来年もう一度うける」とのこと。
「日本のヒラマツユーコオカザキマコトは一発で受かったぞ」とも。国内スペシャリストはともかく、国際スペシャリストは国際試合でも実績を残していないと、無理みたいです。

ぶっちゃけ試験を受けるのは自費。採用されても旅費と滞在費しか出ません。コーチの知識としては役だつかもしれませんが、試合の間はレッスンを休むので、赤字になります。高校野球の審判みたいなものかな。

でも、フィギュアスケートはもともとコーチや親のボランティア精神ぬきでは、成り立たないスポーツなのです。お金と内訳の話はまた別な機会に。

さて、こんな会話もあって、1回めは不合格でしたが、2回目は合格したのがデビット・サンティー。今回、NHK杯のテクニカル・スペシャリストです。

第一回のNHK杯でも来日して銅メダル、五十嵐文男さんが銀メダルでした。その五十嵐さんから聞いた話。サンティーの人気は当時すごくて、ロックスターのように、女性ファンがつめかけたそうです。

あだ名は「ロッキー」。というのも、サンティーは必ず曲の一部でロッキーのテーマを使ったためです。

昔は神宮スケート場とか夏は営業していないリンクが多く、渡部絵美さんたちとコロラドでレッスンを受けたりしたので、サンティー兄弟とはものすごく仲が良かったそうです。小川勝さんなんてサンティーの3番目の兄弟を言われるほど仲がよかったとか。

絵美さんにとって「サンティーはもう私にとってアイドル。ともかくかっこよくて、憧れの存在でした」とのこと。サンティーは試合のとき、「ボクシングのときみたいな赤いガウンを着て順番をまつんですよ」とも。

その縁でシカゴ育ちのアメリカン長女がはじめて神宮で試合にでたとき、小川さんも「サンティー兄弟の育てた生徒なら」と見にわざわざ来てくださいました。
他にも無良先生、樋口先生、稲田悦子先生、佐野先生、サンティーは元気なの?」と声をかけてくださり、とても感謝しています。親の私はワールドシリーズなどで同行できず、反抗期になると責められたものです。(反抗期をすぎると、「ママに感謝している」と言ってくれましたが)

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たまたまシカゴの家から近いスケート場で、ディレクターをしていたのがサンティーの兄のジミー・サンティーで、それぞれの妻もスケートコーチ。なので家も近く、ハロウィンではパーティーに呼ばれたり、家族ぐるみでお付き合いしていました。本当にもういろいろな意味で、つらかった時期、助けてもらいます。

サンティーとの動画はこちらで公開しています。最初にでてくるのがジミー、途中で3人コーチが並んでいるのが、ジミー、ジェイミー、デビッドです。

あ、アレクサンドル・ファデエフの奥さんもうつっていますw

mmcompany.hatenablog.com

前夫がスケートママと浮気して、そこの夫と朝練習でケンカにケンカになってしまったり、多大な迷惑もかけてしまいました。

だいたい筆者は21歳のときからプロ野球漬けで、仕事中毒でした。長女のフィギュアスケート、次女の自閉症で他の世界のことを知りました。アメリカに移住してからも毎日、毎日、野球。ちなみにデビッドは大のカブスファンで、試合前グラウンドに立ってから、「おーいおーい」なんて観客席から手を振ってもらったこともあります。長女が「デビッドはチケットを買って野球の試合に行くのに、ママは毎試合、どうしているの?」なんて質問するのは、そのせいです。